ハクちゃんが我が家へ来てしばらくの間、それはそれはシルにいじめられたものです。

のんびり放牧してるハクちゃん目掛けて躊躇なく突進して蹴るのは当たり前、ビッグがいた頃は、彼を戦闘部隊として送り込むこともありました。

ハクちゃんにしてみたらさぞかし怖く、訳がわからなかったことでしょう。

困ったような顔を浮かべ、スゴスゴと逃げることしかできませんでした。

そんな日が続いたある日のこと。
いつもはケンカを売りまくるシルが、ハクちゃんにグルーミングのお誘いをしたのです。

すると、ハクちゃんはシルを一瞥すると後ろ足で力強く大地を蹴りつけたのです。

その様子は明らかに威嚇であり、見たことのない険しい表情を浮かべていました。

その日を境に、いつもはやられっぱなしだったハクちゃんが、理不尽にシルにやられたら怒るようになったのです。

かといって実際に蹴ったり噛むわけではなく、あくまでもエアーキックや地団駄ですが。

そんな応戦の仕方もハクちゃんらしいな、と思うのでした。