ビバの足かけ1
ビバの足かけ2

長期戦覚悟
だれよりかまってちゃんでパパっ子なビバは、ボスの気を引くために、これまでずいぶんと頭を悩ませてきました。

そしてついやってしまうのが、音を出すこと。

厩舎の金属の梁をくわえてバビンバビン鳴らす→壊れるからやめてくれぃ!

博多の境界線にある金網に無口の金具部分を擦り付けてジャラジャラ鳴らす→無口が壊れるからやめてくれぃ!

いずれもボスに叱られます。

そこで我が家へ来て一年くらいで編み出したのが、馬柵棒足かけの技、だったのです。


この作戦は成功して、すぐにボスは駆けつけると足を抜いてくれるようになりました。
我が家では蹄鉄を履かせていませんが、それでも足が抜けなくなったのと心配したのです。

けれどもそのうち自分で抜けることに気づいたボスは、すぐには来なくなり、しばらく放っておかれるようになりました。

それでも来ればかけてある足を持って「ナイストゥミーチュー」と言いながらブンブンしてくれるので、ビバは嬉しかったのです。

けれども月日というのは残酷なものです。

今ではすっかり飽きられてしまい、遠くから「自分で抜け」と声をかけられるだけになってしまいました。

困ったビバは、足の抜けどきを見失ってしまい、誰も注目してくれないのにいつまでもいつまでも無言のまま足をかけ続けるのでした。