我が家へ来た頃はシルが女帝として君臨していた頃でした。

ビッグとビバを従えたシル軍団は、新参者のハクが少しでも近づけば威嚇。
ビッグが戦闘部隊となり、ハクを一切受け入れなかったのです。

ハクが来て三ヶ月、ビッグがお空へ旅立つと、シルとハクは隣同士の部屋になりました。

するとシルからのいじめはエスカレートし、ニンジンをもらえば容赦ない攻撃が繰り出されるようになりました。

その度にハクは苦悶の表情を浮かべて逃げる。
お客さんはビビる。
ほのぼのとしたエサやり体験は一瞬にして地獄絵図になっていたのでした。

あれから四年。
私たちは気がつきました。
もうあの頃の弱っちいハクちゃんではないと。

攻撃されてもびくともしないのです。
その様子に逆にシルはおののき、後退するのです。
いつの間にかヒエラルキーはハクのほうが上になっていました。

馬も人も、もまれればそれなりに逞しく成長するのだなぁと、しみじみ思うのでした。