おおおだけで動くハクちゃん1

おおおだけで動くハクちゃん2


ハクちゃんもびっくり
馬に乗り始めの頃、東京に住んでいた私は年に数回御殿場の乗馬クラブで行われていた「カウボーイマウンテッドシューティング」という競技会に参加していました。

アメリカでは実銃を使いますが、ここは日本。
エアガンを使い、馬に乗りながらBB弾で風船を打ち抜くのです。

この競技を知ってから乗馬熱は高まり、乗馬に夢中に。
タナカのピースメーカーを買い集め、自分用のライフルも購入。
風船を割れなくてもいいから、とにかく駈歩でコースを回りたい一心で練習したものです。

さて、現在私にとって最高の先生はボスですが、当時の私はボスのスパルタに抵抗があり、無駄に自己流を貫いていました。
当然技術など磨かれることはなく、駈歩できても細かい指示は伝えられない。なので風船までの距離が縮められず割れない。
さらにコースアウトしまくり、暴走する馬から落ちるという始末。


今思えばずいぶん無茶な乗り方をしていましたが、それでも目的であった「駈歩でコースを周る」は果たされていました。

それはなぜか。

スタート地点から馬に私の気合いを念力で送っていたからです。

練習では重すぎてなかなか駈歩が出せなかった馬(馬好きになるきっかけとなった大好きなコ。今は沖縄で大切にされています)も、本番では私の興奮が伝わるのでしょう。
スタートから駈歩を出してくれていました。


さて、ボスにきちんと教えてもらうようになり、あの頃よりは技術が身についた今は、乗るのはもちろんビバとハク。
彼らはものすごく敏感に騎乗者の心を感じ取るため、今はむしろ気合いを伝えないようにしています。
走らせる技術が身についたのにそこに気合いを加える必要はないからです。

と、こんな風に言ってますが、気合いだけで歩様を変えるボスには正直ドン引きしました。。。

このとき体の扶助はまったくしていません。
声のトーンを変えることでハクちゃんの歩様を変えているのです。

幼少期は馬と共に暮らして50年近く馬に乗ってきた人はおかしなことをするもんだ、とおそらくハクちゃんも思っていたに違いありません。

なんだかわからないけど体が勝手に動いちゃう〜、とまるでハクちゃんが言っているようにも思えるのでした。