今日もうちのウマコが騒いでる

富山県魚津市にあるふれあい牧場フロンティア。3頭の馬とお空のビッグが繰り広げる日常をマンガにした絵日記ブログ。絶賛毎日更新!

2021年03月

首から降りる1
首から降りる2


ウマコたちを我が家へ迎えて確か二ヶ月くらいたった頃のことだと思います。
ある動画で、下がった馬の首を滑り台のようにして降りてくる映像を見たのです。
体の小さなシルちゃんだったら大丈夫かな、と思い、試してみることにしました。

ただ、思い返せばこの頃はまだパッツン前髪でもなく、宇宙人にもさらわれてもいなかったシルちゃん。
ワイルドヘアでそこまで懐っこくもなく、わたしとも信頼関係を結びきれていなかった頃だったのです。

裸のシルにまたがると、彼女は首を下げました。
協力してくれるのか、と思ったのですが、よく考えると(よく考えなくても)下の草を食べるために首を下げたのです。
でもちょっと興奮して浮かれていたわたしは、そのまま勢いよく滑り降りると同時にシルちゃんは首を思い切り上げたため、そのまま脳天から地面に突き刺さる形で落馬したのです。

シルちゃんだからまだよかったものの、頚椎間板ヘルニア持ちのわたしはここで首を悪化させ、さらにこの一ヶ月後くらいには夜道で側溝に落ちてとどめを刺されたのでした。

以来、冒険するときは馬と人間の安全のためにもウマコとの信頼関係含め、よ〜く考えてから行うようになったのはいうまでもありません。

 

ハクふんばる1
ハクふんばる2
       残念でした。。。

冬場は遊園地がお休みのため、フロンティアは予約制で営業をしています。
なので、お客さんがいない時は厩舎にいるか放牧されているか、なのです。

ところで毎年三月は保健所の検査の月。年に一度、管轄の保健所の方が諸々確認に来られるのです。
先日も男性の職員の方がいらしたのですが、放牧中だったハクちゃんはお客さんが来たのだと勘違いをした様子。

我先にと入り口へ駆け寄ってきたのです。
当然ビバとシルは怒ります。
なぜハクが先頭にいるのかと。

普段ならハクちゃんはスタコラと逃げて、私たちが来るまでじっと身を隠しているのですが、この日は違いました。
ビバの攻撃にも耐え、シルの圧にも屈することなく、先頭を死守したのです。

そして、見事動物好きな職員の方に撫でてもらったのですが、ハクちゃんは最後まで納得のいかない顔をしていました。
 

歯は立てない1
歯は立てない2
歯は立てない3
歯は立てない4



ふれあい牧場フロンティアは、土地をお借りしている富山県魚津市の遊園地施設「ミラージュランド」の冬季休園中も、予約制で営業をしています。

と言っても雪深い地域ということもあり、冬はほぼ見知った方々(レッスンの生徒さんやいつも遊びに来てくれる方々)との交流がメインとなるのです。

そんな長い冬ですが、わたしにとってはとても有意義な期間。
あのコたちとのコミュニケーションを深めるとても大事な時期なのです。

さて、来週いよいよフロンティアも今季オープン、5年目のシーズンを迎えます。
 思い起こせばみんなの成長がひしひしと感じられ、中でもビバ。
彼は彼なりの速度で成長をしてくれました。

繊細で慎重派でパーソナルスペースをとても大事にするビバは、オープンから今日に至るまで本当に努力を重ねてきました。

乗馬は誰よりも上手にこなし、幼い子供の指示にも従順に応じる一方、スキンシップが苦手なあまり、エサやり体験では不器用すぎる食べ方でお客さんからスルーされることも多々ありました。

でもビバはビバなりに努力をしたのでしょう。
勉強もしたのでしょう。

うちにきた当初よりも食べ方が優しくなり、歯を立てなくなりました。

そしてビバの前だけ網を張ったせいもあってか、お客さんが怖がらずにビバにもニンジンをあげてくれるようになったのです。

こうしてもみんな私たちと一緒に成長していってくれるのです。

ビバは食べ方に関してはまだまだ失敗してしまうこともありますが、馬も生き物。
このブログを通して少しでも彼ら個々の性格を知っていただければ幸いです。
そして、今季もビバ、シル、ハクのことをどうぞ可愛がってやってくださいますようお願いいたします! 

ビッグとカラス1
ビッグとカラス2

日に日に暖かさが増し、もうすぐ春本番。
ズ〜っと花粉症かと思っていたのですが、6年前耳鼻科で花粉症ではないと判明した日以来、ピタッと鼻水が止まったわたしは、今では春は大好きな季節。
遊園地の広場にも草が芽吹き始め、いよいよウマコたちの草バイキングも始められそうです。

そしてもうひとつ。
春と言えば鳥たちの巣作りの季節でもあります。
フロンティアが間借りをしている遊園地ミラージュランドの中には実にたくさんの鳥たちが訪れます。
代表的なのはスズメにカラス。トンビにサギ、ハクセキレイ、ムクドリ、、などなど数多く。
今はどこのどなたかわからない、謎の黒い水鳥が4羽、休園中の池の周囲を占領しています。 

 さてこの巣作りですが、原材料は木の枝がほとんど。
そのほかにその辺に落ちている針金やらなんやら人間の持ち物。
そして5年前から加わったのが、ウマコたちの毛です。

拾っていくのはスズメ、カラス、ハクセキレイが主。
彼らはブラッシングで抜け落ちたウマコたちの毛をせっせこ拾っては飛び立ちまた戻ってくる。
それを何度も繰り返すのです。

ただ、カラスだけは拾う手間をショートカットし、ウマコたちから直接毛を抜いていくのです。
と言ってもそれをされるのはビッグだけ。

二羽のカラスに乗られ、毛をむしり取られているのを発見した時は「助けなきゃ」の一心で駆け寄ったのです。
そこで見たのは、嫌がる素振りも見せないビッグと迷惑そうな顔でこちらを見つめる二羽のカラス。
そうなんです。
ビッグとカラスたちはうまく共存していたのです。

他のウマコたちがカラスに乗られるのを嫌がる中、いつの間にかビッグとカラスたちは提携を交わしていたのでした。
と言ってもビッグへの見返りがなんだったのか、それは今でも不明ですが。

ただしビッグがお空へ行った今は、誰ひとり毛を引っこ抜くことを許さないため、カラスたちは拾う専門に徹する春になりました。
いずれにしても魚津の鳥たちの多くは、ウマコたちのぬくもりに包まれて育っているのです。 

ハクイス倒す1

ハクイス倒す2

目の前に嫌なものがあった時、わたしは無意識にそれをどかします。
それと同じように、目の前に邪魔なものがある時、ハクちゃんは鼻でそれをどかします。

普段はものすごく穏やかでパーソナルスペースに入っても受け入れてくれるけど、ごくごくたま〜に気に食わないものがあるのです。

我が家では、夏近くになると牧場の各部屋に日除けネットを張ります。
そのネットを張っている時でした。

踏み台を持ってハクちゃんの部屋に入ったボスを、彼は緊張した面持ちで出迎えました。


別に怒られるわけでもないのに、得体の知れないものを持って自分の部屋に入ってきたボスを超警戒したのです。

しばらく作業している間、ハクちゃんはずっとボスのことを見上げていました。
やがて、忘れ物に気づいたボスが踏み台を置いたまま部屋をあとにすると、しばらく踏み台を睨みつけ、スパーンと鼻で排除したのです。

無様に転がる踏み台。
部屋に戻ってきたボスの顔。

わたしのiphoneの動画には、白力王の真の姿が収められていたのでした。

 

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