ビバピーン1
ビバピーン2


ビバが我が家へ来たのは1歳4ヶ月のこと。
まだたてがみもショボショボで、お顔も丸くてあどけなく、今みたいな「オトコ!」ではなく、男の子、だったことを今でもよ〜く覚えています。

さて、見た目が成長したビバですが、性格はそのまんま。
やんちゃででもビビリで、オラオラででもいざ喧嘩になると椅子を振り回す小学生に。
それは昔も今も変わりません。
そして、仕事はとにかく真面目に一生懸命にこなしてくれるところも変わらず大人になってくれました。
ただ、人を見る。とにかくとにかく人を見る。

馬に限らず動物は人間のことをよ〜く観察していて、スキあらば悪さ(俗に言うナメられるという現象)をするのですが、ビバはとくに使いわけているようです。
なので、どんなに力が弱くて体の小さな小学生でも、気合があれば言うことを聞きますし、怖がっていれば体の大きな大人でもまったく言うことを聞きません。

そんなときはすかさずボスが乗り替わり、瞬時に調教し直す(俗に言う調整)のですが、途端にピーンと背筋を伸ばしてお利口さんに。

ただ、どんな人を乗せてもお利口さんに言うことを聞く馬だけがいい馬だとは思いません。
そうするのが仕事だと思っている、「従順なお利口さん」。
それはそれで素晴らしい性格ですが、その馬以外に乗った時にがっかりしてしまう可能性も高いですよね。

乗馬は自分の心のあわせ鏡だと思っています。
なので、どんな馬とでも自分のメンタルをコントロールできるようになりたいものです。


なので、ビバが自分勝手なことをしてしまうということは、自分の心が浮ついている、ということなのかなぁとも思うのです。
怖い、不安、迷い……そんなネガティブな気持ちがビバに伝わり、ときに彼をも不安にさせ、ときに集中力を欠かせてしまい結果、好き勝手な行動を取らせてしまう。

だからこそ馬に乗ることで今の自分のコンディションを知ることができ、自分自身の心と体のメンテナンスができるのだと思います。

ただわたしも昔はこう思っていました。
そうは言っても乗馬として駄馬もいるよね、と。

技術もなく経験も浅かったため、そう思わなければ納得がいかなかったんです。

でもウマコたちと暮らすようになり、考えは変わりました。
技術や経験が少なくても、気持ちがぶれていなければそれは確実に馬に伝わる、と。

だから気合だけが十分な小学二年生の女の子でもビバをきちんと操縦することができ、経験がある人なのにビバにもっていかれて苦戦する大人がいる。

そのことに気がついてからは、乗馬においてネガティブな感情は封印するようにしました。
そうしたら、まだまだ未熟な乗馬技術でも、以前よりはビバとの折り合いがつけるようになった気がします。

それと同時に、人に対しても付き合い方が変わった気がします。
争い事が嫌で、自分自身の気持ちにさえ蓋をしてしまうことが多かったわたしですが、昔よりは自分自身の真の気持ちを相手にちゃんと伝える努力をするようになりました。

なのでつくづく思います。
乗馬は実に奥が深い。と。
仕事を真面目にこなしてくれるビバと一緒にお仕事をするからこそ気付かされることがたくさんあるのでした。
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ハクちゃんに偉そうに跨ってみた