縄抜け 新

※旧ブログで描いたマンガの修正版。文章は新規になります。

ビバが我が家へ来たのは1歳4ヶ月の頃。
まだたてがみもショボショボで、輪郭も丸っこく幼い面影を残す、それはそれは可愛い若馬でした。
ただ、あまりにも幼くていろんなことをグングンと吸収していき、ほどなくして悪行の数々をわたしたちに見せつけ始めたのでした。

最速で覚えたのが「縄抜け」。
こちらが自主練しながら覚えた特殊なロープの結び方をじっくりと観察していたのでしょう。
見事な逆再生で縄を外すと、味わうように端から端まで噛み砕き、よだれでグショグショにさせ、満足気に佇んでいるのです。
そうなんです。
別に脱走したいわけではないのです。
ただただ縄を外す達成感を味わいたいだけなんです。

なのでロープが外れているにもかかわらず、まるでエアーロープで繋がれているかのように、そのロープをくわえたままその場におとなしくいるのです。

その後、ロープの結び方を変えたのは言うまでもありません。
ただ、ビバもまた、噛みしだくことでロープをちぎるという新技を生み出し、まるで職人のように数ヶ月かけて完成(ちぎる)させることに励むようになりました。

ビバの「おいた」についてはまたご報告したいと思います。