カテゴリ: 馬と仕事
ある日のレッスン終わりのウマコたち
それぞれの適材適所


目新しいものや見慣れないもの、突然の物音、不意に出される手など馬にとって、人間との共存において怖いものはたくさんあります。
特に遊園地は不特定多数の人が訪れるため、馬を理解している、もしくは馬を理解しようとしてくれる人だけではなく、馬を遊具の一つと思って遊びに来る人もいます。また遊園地なので、週末などは子供が多く、予想もつかない動きを急にされることもあるため、感受性が強く繊細なビバにとってはドキドキの毎日でした。
それでも頑張っていましたが、ハクが我が家に来てくれたことでビバの緊張の糸が切れたのか、幾度となく経験した怖さに打ち砕かれてしまったのです。
このままだとビバのメンタルがもたないと判断し、彼はレッスン専用馬へと転身したのです。
レッスンだよ、と声をかけるとスイッチオン。
自分がコーチかのように騎乗者に接し、うまくできるとドヤ顔する。
そんなビバを見ていると、怖さを克服させるのは大事だけれども、人と同じでどうしても苦手なものはあります。
それを避けて得意とする分野で頑張ってもらうことを選択できるのであれば、それでいいと思うのです。
さてシルちゃんですが、彼女はすっかり愛玩馬として定着しました。ただ最近ちょっとわがままが過ぎるようなので、また乗らないとダメだな、とボスはつぶやいています。
この場合は苦手を克服云々ではなく、あまりにも自由気ままに生きているため我慢することができなくなっているのです。
人と馬はお互い譲歩も必要なので、私もシルも今後のために何度でも軌道修正しなければなぁと思っています。
それにしても、ハクが我が家へ来てくれたおかげでビバは助かり、ハクとのふれあいを楽しみに来てくれる人も増えました。
うちに来た当初からどっしり構え、動じないコだったので性格なのでしょう。
子供や犬がお腹の下に不意に潜り込んでもピクリともしません。
嫌な時は人を傷つけない方法で意思を伝えてくれるのでお客さんにも説明しやすい。
週末は大勢の人を乗せて頑張ってくれて本当に感謝しています。
でも連休など連日混雑する時はさすがにキツイ。
そろそろハクちゃんの弟分が来てくれたらなぁとご縁を願う日々です。
その前に厩舎の拡大、牧場の部屋の拡大と課題はありますが、乗れるウマコが3頭になれば、外乗も人数を増やせます。
ただこればかりはタイミングと縁。気長に待とうと思います。
ハクが勝利を収めた日


自分の仕事を熟知しているハクちゃん

