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今日はビッグの誕生日。おっさんだけど人気者だったなぁ
4月17日の今日はビッグハートの誕生日。
生きていれば22歳になっていたはずです。
なぜ「はず」なのかというと、年齢詐称疑惑があるから。
うちに来た当時は17歳でしたが、歯の様子からも実はもっと年上だったのかもしれないなあと思うのです。実際誕生日も適当につけられた日付だったため、今でも年齢詐称疑惑は払拭されていません。
さて、そんなビッグですが前職は幼稚園の職員ということもあり、そんじょそこらのことには動じない逞しい性格をしていました。
そのため幼いビバとシルの教育係にもなり、常に先頭をきって歩いていました。
ただ、そんな日が長く続くわけもなく、ビバたちが環境にも慣れ、徐々に身体も大きくなるにつれ、ビッグのヒエラルキーは降格し、あっという間に最下位に。
ハクちゃんが我が家に来てからは彼と最下位を巡って戦っていましたがあっさり負け。
安定の最下位を最後まで貫き通していました。
それでもビバやハクちゃんに媚びることは決してなく、シルだけに優しい男っけ丸出しの馬であることには変わりなく、一目置かれる存在でもあり続けたのです。
そんなビッグですが、見た目は歯さえ見なければ小さくて可愛いミニチュアホース。
お客さんからは「赤ちゃん」と思われ、「いっぱい食べて大きくならなきゃ」と可愛がられていたのです。
北海道にいた頃は大きな馬たちに囲まれて隅っこで佇んでいたか細い馬でしたが、本来の愛されキャラを思い出しのでしょう。
大きな目を輝かせながらの上目遣い。
お客さんにだけ見せる舌出し。
この2つの必殺技を編み出したビッグは、いつの間にかフロンティアの「コミカルなおっさん」に変身していたのでした。



生きていれば22歳になっていたはずです。
なぜ「はず」なのかというと、年齢詐称疑惑があるから。
うちに来た当時は17歳でしたが、歯の様子からも実はもっと年上だったのかもしれないなあと思うのです。実際誕生日も適当につけられた日付だったため、今でも年齢詐称疑惑は払拭されていません。
さて、そんなビッグですが前職は幼稚園の職員ということもあり、そんじょそこらのことには動じない逞しい性格をしていました。
そのため幼いビバとシルの教育係にもなり、常に先頭をきって歩いていました。
ただ、そんな日が長く続くわけもなく、ビバたちが環境にも慣れ、徐々に身体も大きくなるにつれ、ビッグのヒエラルキーは降格し、あっという間に最下位に。
ハクちゃんが我が家に来てからは彼と最下位を巡って戦っていましたがあっさり負け。
安定の最下位を最後まで貫き通していました。
それでもビバやハクちゃんに媚びることは決してなく、シルだけに優しい男っけ丸出しの馬であることには変わりなく、一目置かれる存在でもあり続けたのです。
そんなビッグですが、見た目は歯さえ見なければ小さくて可愛いミニチュアホース。
お客さんからは「赤ちゃん」と思われ、「いっぱい食べて大きくならなきゃ」と可愛がられていたのです。
北海道にいた頃は大きな馬たちに囲まれて隅っこで佇んでいたか細い馬でしたが、本来の愛されキャラを思い出しのでしょう。
大きな目を輝かせながらの上目遣い。
お客さんにだけ見せる舌出し。
この2つの必殺技を編み出したビッグは、いつの間にかフロンティアの「コミカルなおっさん」に変身していたのでした。



小さい馬だからといって舐めたらいけません




オープンしてからひと月くらいたった頃でしょうか。
この世に生まれていちばん!いちばん!疲れ果てていました。
そんな頃、放牧からウマコたちを連れて帰ることになったのですが、当時我が家にいたのはビッグ、シル、ビバの三頭。
ヨレヨレのボロボロの状態で迎えにいき、誰を連れて帰ろうかと考えたのですが、未調教の新馬だったビバ、女帝のシルを連れて帰る気力はない。
なので迷いなくミニチュアホースのビッグと一緒に帰ることに決めたのです。
無口にロープをつけ、さあ帰ろうと歩き出した途端、ビッグが突然走り出し、体の芯がグニャグニャ状態だったわたしは簡単に倒れ、あれよあれよと言う間に引きずられ走りだしたのでした。
当時の牧場には無数の木が生えており、わたしは仰向けのまま天を仰ぎ、「木にぶつかって死ぬかも」と覚悟を決めました。
今思えばすぐに手を離せばいいものを、何があっても手放してはいけない!と頑なに思っていたわたしはずっとずっとロープを握りしめていたのです。
つい最近もこれで失敗している(学習してないのか。。。)
はたと気づきロープを握りしめる手を解放したのはどれくらい引きずられてからだったのでしょうか。
運良く木に激突することはなく必死に体を起こすと、見つめる先には意気揚々と走り去るビッグの姿が。
そしてわたしは気づいたのです。
体の大きさは関係ない、と。
むしろ一〇〇キロ超えの馬は相撲取りと同じ。
到底力で敵うわけがない。
この日から当然ビッグに対する見方も丸っぽ変わったのでした。



鳥たちの巣作りに協力する馬のお話


日に日に暖かさが増し、もうすぐ春本番。
ズ〜っと花粉症かと思っていたのですが、6年前耳鼻科で花粉症ではないと判明した日以来、ピタッと鼻水が止まったわたしは、今では春は大好きな季節。
遊園地の広場にも草が芽吹き始め、いよいよウマコたちの草バイキングも始められそうです。
そしてもうひとつ。
春と言えば鳥たちの巣作りの季節でもあります。
フロンティアが間借りをしている遊園地ミラージュランドの中には実にたくさんの鳥たちが訪れます。
代表的なのはスズメにカラス。トンビにサギ、ハクセキレイ、ムクドリ、、などなど数多く。
今はどこのどなたかわからない、謎の黒い水鳥が4羽、休園中の池の周囲を占領しています。
さてこの巣作りですが、原材料は木の枝がほとんど。
そのほかにその辺に落ちている針金やらなんやら人間の持ち物。
そして5年前から加わったのが、ウマコたちの毛です。
拾っていくのはスズメ、カラス、ハクセキレイが主。
彼らはブラッシングで抜け落ちたウマコたちの毛をせっせこ拾っては飛び立ちまた戻ってくる。
それを何度も繰り返すのです。
ただ、カラスだけは拾う手間をショートカットし、ウマコたちから直接毛を抜いていくのです。
と言ってもそれをされるのはビッグだけ。
二羽のカラスに乗られ、毛をむしり取られているのを発見した時は「助けなきゃ」の一心で駆け寄ったのです。
そこで見たのは、嫌がる素振りも見せないビッグと迷惑そうな顔でこちらを見つめる二羽のカラス。
そうなんです。
ビッグとカラスたちはうまく共存していたのです。
他のウマコたちがカラスに乗られるのを嫌がる中、いつの間にかビッグとカラスたちは提携を交わしていたのでした。
と言ってもビッグへの見返りがなんだったのか、それは今でも不明ですが。
ただしビッグがお空へ行った今は、誰ひとり毛を引っこ抜くことを許さないため、カラスたちは拾う専門に徹する春になりました。
いずれにしても魚津の鳥たちの多くは、ウマコたちのぬくもりに包まれて育っているのです。
小さな馬と大きな馬のケンカは成立するのかどうか・ビッグとビバの場合




2月18日はウマコたちが遠く北海道からトラックに乗ってやってきた日です。
当時はまだビッグも元気で、放牧中はよくビバと喧嘩をしていました。
ただ、わたしの姿を見つけると、ビッグはものすごい勢いでこちらに逃げてきて、うるうるした瞳で見上げると、後ろに隠れていたのです。その時点でケンカは終了。
わたしがいないときはビバにしつこく追い回され、挙げ句の果ては蹴られたりもしていたようです。
そんなビッグがある日、牧場内の小屋に入っていた時のことです。
当時は隣の部屋にはビバがいました。
ビバとビッグの間には単管パイプが一本間仕切りとして置かれており、自由に行き来はできないようになっています。
いつものようにビバがビッグにケンカを売り始め、両者睨み合いに突入したのです。
ビッグに対してビバは容赦しません。
下手すると噛まれてしまう可能性もあり、両者を引き離そうと近づいたその時でした。
ビッグが後脚を思いきり踏ん張ると、前脚を天高く蹴り上げてビバに襲いかかったのです。
と言っても単管の向こう側にいるビバにですが。
そうなんです。仕切りがあるとビッグはべらぼうに強くなるのです。
思いがけない攻撃に一瞬ビバは驚いたものの、自分の背丈よりも遥かに低いビッグを冷ややかな目で見下ろしケンカにもなりませんでしたが、ビッグの本性を見た気がして今でも忘れらない光景となっています。


