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視覚障害者グループの乗馬体験で改めて実感した馬への感謝
だいたいのことには動じず、いつもドシンとかまえてくれるハクちゃん。
視覚障害者の方々の乗馬はハクちゃんが適任ということで頑張ってもらいました。
乗られる方の中には体の大きな方もいて、不安定な乗り降りではハクちゃんは体を持っていかれてしまいます。
お顔は大きくても小型の馬なため当然です。
そのたびにハクちゃんは足を踏ん張り、体が持っていかれて傾いてもじっと動かず、おかげで人間のことだけに集中できたのです。
そして集合写真では35名の真ん中におさまり、いよいよ最後のふれあいタイムとなったときのことでした。
みなさん優しく顔を触られていたのですが、指が目に当たった時がありました。
一瞬ハクちゃんの体が硬くなったのが分かりましたがすぐにゆるみ、イヤな素振りひとつ見せずに最後まで神対応だったハクちゃん。
改めてウマコたちの適材適所を実感するとともに、感謝と誇らしい気持ちを覚えたのでした。



視覚障害者の方々が乗馬体験に来られました
ハロウィンの日、視覚障害者の方たちが乗馬体験をしに遊びに来られました。
フロンティアでは障がい者乗馬も行っており、これまで何度も個人、団体でのご利用を受け付けてきました。
ですが今回は視覚障害。しかも年齢が50代から80代と聞き、乗り降りはできるだろうか、騎乗中不安がらないだろうかとさまざまな不安が頭をよぎりましたが、午前中を貸し切りにして時間に余裕を持って行うことで、思い出作りのお手伝いをすることに決めたのです。
そして迎えた当日。
風もなく暖かな秋晴れの中、35名の団体が来られました。
運良く(?)遠方より遊びに来てくれていた7年ぶりの再会となる友人たちや、魚津の友人にも手伝ってもらう中、体験が始まりました。
踏み台の段差や幅はボスが言葉で誘導して手で補助を。中には最初に自分で手探りをしてサイズ感を確かめてから乗られる方もいて、わたしはハクちゃんを前で支えながらいちいち感心して見ていました。
だいたいの方が風を感じ、波の音を聞き、ハクちゃんの背の揺れを楽しまれていましたが、やはり怖がる方もいて、身をすくめて落ちる落ちると連呼し始めたのです。
するとボスが、子供の頃してもらった肩車と同じですよ、そう伝えると表情がゆるみ、楽しまれる方もいれば、納得しながらも最後まで緊張し続ける方もいましたが、それでもみんな乗ることができたのです。
生まれつき目が見えない方もいれば、病気で視力を失った方や、弱視の方、光だけは感じる方、など視覚障害者の方たちの事情は人それぞれです。
中にはタイでゾウに乗ったことがある、という全盲の方もいれば、子供の頃家に農耕馬がいて裸馬の背に揺られた、という方も何人かいました。
そのうちのひとりで、5歳で失明をしたという高齢の男性がいました。
その方は目が見えていた頃に見た馬を鮮明に覚えているらしく、とても穏やかな顔で乗られていました。
きっとその方の心の中には、あの頃見た馬に乗る自分と懐かしい風景が広がっていたのでしょう。
その横顔を見ながら、彼らひとりひとりの心の中には闇ではなく、豊かな色彩にあふれた光景が広がっているのかもしれない、そう感じずにはいられないのでした。



言葉よりも断然圧がこわい馬
シルちゃんの得意技
牧場の外でロープに繋ぎ、草バイキングをしていると、たまにシルが見当たりません。
無口のサイズは大きすぎるわけでもないのですが、どうやってか外してひとり自由に歩き回っているのです。
牧場内の部屋にいても、いつの間にかスッキリした顔でたたずむ側には、柵に引っかかった無口がポツンと。
さらに取れないよう結んだはずのロープの結び目もどうやってか外します。
ビバのようにくわえて引っ張るのではなさそうで、どうやら引いては戻りを繰り返して緩ませているようなのです。
とは言うもののちゃんと見ていたわけではないので本当のところはわかりません。
いずれにしても彼女がいつイリュージョンするかわからないため、ひとり留守番をさせるときは牧場の出入り口の施錠は念入りにするのでした。


